
IPVanish はサービスを継続しています。ただし中国から脱出する用途では、あまり適さないと考えられます。
現行プランは Essential と Advanced の2本立てで、契約期間は2年・1年・月単位から選びます。Essential は2年契約が初回2年分US$59.76(月換算US$2.49)、1年契約が初年US$46.68(月換算US$3.89)、月契約がUS$14.99です。1TBのクラウドストレージと Threat Protection Pro が付く Advanced は、2年契約が初回2年分US$86.16(月換算US$3.59)、1年契約が初年US$64.68(月換算US$5.39)、月契約がUS$17.99です。更新時は期間に関係なく Essential が年US$99.99、Advanced が年US$129.99に上がります。返金保証は30日です。
中国から脱出する用途では、2026年時点で「現存するが推奨しにくい」状態にあると考えられます。サーバー拠点数と同時接続数はレビュー当時から大きく改善している一方で、1年契約は初年US$46.68から更新時US$99.99へ上がるため、継続利用のコスト負担が重くなります。
| IPVanish 現行スペック | ![]() |
| サーバー設置国の数 | 100ヶ国以上 |
| サーバー数 | 3,400台以上 |
| Proxyへの対応 | ○(Socks5) |
| 対応アプリ | Windows, Mac, Linux, Chrome OS, iOS, Android, Fire TV, Apple TV, Router |
| 同時接続可能数 | 無制限 |
| 利用料金 | Essential 月額US$14.99(2年契約なら月換算US$2.49) |
| 支払い方法 | Visa, Master, Amex, JCB, PayPal, Bitcoin等 |
アメリカに本社を置くVPNプロバイダーです。StrongVPNは同じ親会社の別ブランドで大きなバックボーンを持っています。ノーログを掲げており、暗号化の初期設定も強めに寄せています。
記事作成時点では Windows Phone に対応している数少ないVPNプロバイダーでした(同OSは2019年12月にサポートが終了しています)。中国からの接続については、2017年7月時点で「速度は出ないが繋がる」状態でした。現在は、上の注記に書いたとおり中国利用は推奨しにくいと考えられます。
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公式サイトは英語のみで、日本語版はありません。iOSアプリの対応言語も英語・オランダ語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポーランド語・ポルトガル語・スペイン語の8言語で、日本語は含まれていません。
IPVanishの特徴
高い暗号化
IPVanish が現在提供しているプロトコルは WireGuard・IKEv2・OpenVPN の3つです。既知の脆弱性がある PPTP・L2TP・IPSec は提供を終了しています。速度で選ぶなら WireGuard が有利で、公式も他プロトコルより一貫して速いと説明しています。OpenVPN は Windows・Mac・Android・iOS・Fire TV・Apple TV・Chrome OS・ルーターで、WireGuard は Windows・Mac・Android・iOS・Fire TV・Apple TV・Linux・ルーターで使えます。
デフォルトの設定で、AES-256, SHA-256, RSA-2048, HMAC SHA-256と言った軍事レベルの組み合わせのOpenVPNで接続出来ます。ここまで強力なOpenVPNで接続出来るVPNプロバイダーは多くありません。
P2P・Socks5に対応
日本では使う人が少なくなっているファイルシェアソフトですが、世界的には健在です。IPVanishはP2Pの無制限での利用を許可しており、Torrent用にSocks5のプロキシにも対応しています。
日本は東京と大阪の2拠点
IPVanish の日本国内の拠点は東京と大阪の2か所です。公式のサーバーロケーション一覧では国別の台数が公開されておらず、最新の台数はアプリ内の一覧で確認する形になっています。海外から日本のIPを取って、日本国内限定のウェブサイトや動画サイトを見る用途には使えます。
IPVanishの詳細
安全性
最も気になる点は所在地がアメリカにあるという事です。PIAと同じくノーログを強調していますが、アメリカにある以上、サーバー情報が国家に渡る可能性は否定できません。
所在地以外の安全性は高い水準で守られています。DNS情報、IPv6データの漏れがないので、IPアドレス流出の心配もありません。デフォルトの暗号化がAES-256なので強力な暗号化で通信可能です。
ノーログについては、この会社には過去に一度傷がついています。2016年、当時の親会社 Highwinds Network Group が米国土安全保障省の召喚に応じ、「利用情報は記録していない」と回答した後で、接続時刻・接続元IP・接続先IPを提供していたことが裁判記録から明らかになっています。その後 IPVanish の運営は2017年に StackPath、2019年に Ziff Davis へ移り、現在の体制では Leviathan Security Group(2022年)と Schellman Compliance(2025年)の2回、第三者によるノーログ監査を受けています。現行の実装が監査で確認されている一方で、過去に当局へ記録を渡した実績がある会社でもある、というのが正確な状態です。Torrent や匿名性を最優先する用途なら、この経緯を踏まえたうえで選ぶべきサービスと考えられます。
速度
記事作成時点の計測では、IPVanish のサーバーは大手VPNプロバイダー全体から見ても高速の部類でした。回線状況によりますが、日本サーバーで最低100Mbps以上が出ていました。これは記事作成時点の実測で、現在の数値ではありません。
対応機種
Mac, Windows, Linux, Chrome OS, Android, iOS, Router(DD-WRT, Tomato) に対応しています。
アプリ自体はシンプルではありませんが、よく作り込まれています。iOSアプリは WireGuard・IKEv2・OpenVPN のいずれでも接続できます。記事作成時点は iOS だけ OpenVPN が使えず IKEv2 のみでしたが、この制約は解消されています。また、アプリ上で通信速度をチェック出来ます。

ストリーミング端末は Fire TV・Apple TV・NVIDIA SHIELD・Google Chromecast・ONN 4k・Nokia Streaming Box に対応しており、Apple Vision Pro 用のアプリもあります。
カスタマーサービス
チケット制での対応ですが、24時間体制で早い順に対応していくと約束しています。沢山のビデオガイドをYouTubeから参照することが出来ます。
2018年5月末からチャットサポートが追加され、チケットを立てずに問い合わせられるようになりました。
利用料金と支払い方法
Visa, Master, JCB, Discover, Amex, PayPal, Bitcoin等に対応しています。
現在の料金ページは2年契約・1年契約・月契約の3つのタブで切り替わる構成です。下のスクリーンショットは「2-Year Plan」と「Monthly Plan」を選んだ状態のもので、この2つの中間には1年契約(Yearly Plan)も用意されています。


記事作成時点の料金は1ヶ月・3ヶ月・1年の3プランでした。
| 1ヶ月プラン | US$10.00 / 月 |
| 3ヶ月プラン | US$26.99(US$8.99 / 月) |
| 12ヶ月プラン | US$77.99(US$6.49 / 月) |
管理人からのふた言
おすすめポイント
- ノーログを標榜し、第三者監査を2回受けている
- 日本は東京・大阪の2拠点が使える
- AES-256がデフォルトと強い暗号化
- VPNに接続するスピードが早い
- Torrent用のSocks5プロキシに対応
デメリット
- 所在地がアメリカ。スパイ法が適用される
- 中国から脱出する用途では推奨しにくいと考えられる
- 公式サイト・アプリとも日本語に対応していない
IPVanish はこれと言って独自の機能があるわけではありません。基本機能を台数無制限で使える点は扱いやすい一方、更新時の値上がり幅・日本語非対応・ノーログ運用の過去の経緯は、事前に把握しておくべき弱点です。巨大なバックボーンがあるので通信速度も安定しており、海外サイトの動画鑑賞やゲーマーにもおすすめできます。
またノーログを掲げているため Torrent ユーザーにも人気があります。もっとも、上に書いた2016年の経緯を踏まえると「保証」と読み替えるのは避けたほうが安全です。ただし中国から出るための回線として選ぶ用途では、上の注記に書いたとおり推奨しにくいと考えられます。日本のIPを取りたい、Torrent を使いたいといった用途と、中国から出たいという用途は分けて考える必要があります。

