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【2018年】中国でVPNが全面禁止って本当なの?

2017年7月20日

2017年にかけて多くのVPN禁止に関するニュースが飛び交っています。
実際にVPNに関して当局の取締りが厳しくなってきたのは事実です。現在中国で経営していたVPNプロバイダーの大手のほとんどは閉鎖、もしくは事実上閉鎖状態にあります。また、2016年末頃から多くの海外VPNプロバイダーのサーバーに接続出来なくなる等締め付けが厳しくなっています。

2017年のVPN禁止・規制に関する中国の報道の流れを追って行きたいと思います。

2017年1月22日 VPNに関しての規制が敷かれる

2017年1月末頃に中国でVPNが規制されるというニュースが世界各国で報道されました。
しかし、事実はどうでしょうか?
これらの報道は2017年1月22日の通信関係を管理する工信部の発表が元になっています。

参照工业和信息化部关于清理规范互联网网络接入服务市场的通知

問題はこの部分です。

4.违规开展跨境业务问题。未经电信主管部门批准,不得自行建立或租用专线(含虚拟专用网络VPN)等其他信道开展跨境经营活动。基础电信企业向用户出租的国际专线,应集中建立用户档案,向用户明确使用用途仅供其内部办公专用,不得用于连接境内外的数据中心或业务平台开展电信业务经营活动。

この通知の重要なポイントは中国でのVPNサーバーの構築 ・運営に関して登録する事を義務化するという点です。
つまりは、無許可のVPNサービスを排除するという通達です。
この対象もあくまで中国国内でのVPNサービスの営業、運営です。
VPNの使用を禁止する通知ではないので、VPNが全面禁止という報道は誤報です。

2017年1月22日の通知の影響

この1月の通知で影響を受けたのは中国のVPNプロバイダーです。
多くの中国のVPNプロバイダーが営業停止に追い込まれました。
2017年5月に管理人も使用していた麦苗(VPNプロバイダー)も止む無く閉鎖するとの通知がありました。
そして、2017年6月末に中国最大手のVPNプロバイダーGreenVPNが正式に営業の停止を通知しました。

参照Green关闭服务公告

通知内容は次のようになっています。

上级监管部门通知,我们必须很遗憾地告诉大家:Green将于2017年7月1日起停止服务。由此给各位造成的不便,我们深表歉意!

「上级监管部门通知」と言う文面から推測すると、当局の圧力で閉鎖する事になったと考えられます。明確に断言出来ませんが、2017年1月の通知が施行された1つの例と言えるかもしれません。

2017年7月10日 個人のVPN利用を停止

2017年7月10日に、彭博新闻(Bloomberg)が、中国政府が中国のインターネットプロバイダー三社(ChinaTelecom, ChinaUnicom, ChinaMobile)に2018年2月までに個人のVPN利用を停止するように通達した、というニュースを報道しました。

この報道は世界中で取り上げられました。中国在住の欧米系の同僚数人もこの報道を凄く気にしていました。

参照China Tells Carriers to Block Access to Personal VPNs by February

2017年7月12日 「個人のVPN利用を停止」の報道を否定

しかし、続く7月12日に、同じく彭博新闻が、当局の工信部がVPNの個人利用の規制に関する報道を否定した、というニュースを報道しました。

参照工信部否认要运营商禁止个人VPN业务:规范对象是无资质者

7月12日,工信部方面回应澎湃新闻(www.thepaper.cn)时称,“我们下属司局并未下发相关通知,此前外媒报道不实。”

この報道の内容は、VPNの個人利用の規制についての報道は事実ではなく、1月の発表はあくまで無許可でVPNサーバーを構築する企業・個人に対しての通知であるとの事です。
文面上はそのような内容ですが実際には2017年1月の通知以前に中国国外のVPNプロバイダーへの取締りは始まっています。

どんな方法でVPNを取り締まっているの?

中国当局はどんな方法でVPNを取り締まっていくのでしょうか?

今現在許可していない国内のVPNプロバイダーを法的に閉鎖に追い込み、海外のVPNプロバイダーの接続を遮断Android, アップルストアからVPNアプリを削除と言った方法でVPNの取締を強化しています。
将来的には、当局の許可が降りたウェブサイトのみへ接続出来る、IPS経由でマルウェアに感染させてVPNの接続の有無を感知する、もしくは遮断するという方法も考えられます。

しかし、現在の「金盾」の方法だと、VPNの通信自体を遮断する事は不可能です。

関連中国でVPNがなんで必要なの?分かりやすく説明します!

実際にChinaTelecomはかなりの数の海外VPNプロバイダーを遮断していますが、ExpressVPNNordVPN, VyprVPNは規制に対抗するステルスサーバーや、プロトコルを用いて規制を掻い潜り通信を可能にしています。
仮に特定のプロトコルを感知して通信を遮断するプログラムが実用化されたとしても、インターネットに繋がる限りShadowSocksのように対抗する手段が出て来るので、イタチごっこの状態が続くと予想されます。

現在中国でのVPN利用はグレーゾーンであっても違法ではありません。
ただし、2017年7月現在海外のVPNプロバイダーでも接続出来るプロバイダーはかなり限られてきています。
特にChinaTelecomは厳しく、過去に繋がっていたHMA!, IPVanish, セカイVPN, TorVPN, StrongVPN, TunnelBearはほとんど繋がらない状況です。
べすとVPNでは現在中国で使用できるレベルで繋がるVPNのみを紹介しています。状況に合わせて常に更新しています。
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2018/04/21 追記

海外のニュースでは4月からVPNの全面規制が始まるということでしたが今のところそのような公式な発表はありません。

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