VPNサービスを検索していると度々見かける「5-Eyes」という単語。
VPNプロバイダーを選ぶ時に参考にして欲しい情報です。
一体どういう意味なんでしょうか?
簡潔に言えば、「スパイした通信情報を共有するための協定」です。
「5-Eyes」の起源
始まりは古く、1946年にアメリカとイギリスが結んだUKUSA協定(United Kingdom – United States of America Agreement)がベースとなっています。
この協定は通信諜報、通信をスパイしてその情報を2カ国で共有するという内容でした。
その後オーストラリア、カナダ、ニュージーランドが加盟して、計五カ国での協定が結ばれ、「5-Eyes」と呼ぶようになりました。
エシュロン
この通信諜報を支えるのが「エシュロン」と呼ばれるシステムで、携帯や固定電話、電子メール、データ通信等あらゆるデータを傍受可能だと言われています。エドワード・スノーデンの告発文章にも言及されており、無線情報だけでなく有線情報も傍受可能なようです。
現在協定国の諜報機関はこのエシュロンを通じて、諜報した通信情報を共有しているとの事です。
とりわけこのエシュロンプログラムの主導を行っているのがNSA=アメリカ国家安全保障局(アメリカの諜報機関)で、アメリカは国民の全ての通信を個人の許可なく傍受する事が法的に可能です。
アメリカのVPNプロバイダーを避けるべき主な理由がここにあります。
9-Eyes, 14-Eyes, 41-Eyesとは?
アメリカは他国の国をスパイする事が法的に出来ないので、他国と協定を結ぶことによって通信をスパイするエリアを広げてきました。
例えば、デンマークは協定に加盟し、NSAがデンマークのシステムに出入りする事を可能にして、双方共にスパイ情報の共有を可能にしました。
下記が、それぞれの協定の加盟国になります。
5-Eyes | アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド |
9-Eyes | デンマーク、フランス、ネザーランド、ノルウェイ |
14-Eyes | ドイツ、ベルギー、イタリア、スペイン、スウェーデン |
41-Eyes | オーストリア、チェコ、ギリシア、ハンガリー、アイスランド、日本、ルクセンブルク、ポーランド、ポルトガル、韓国、スイス、トルコ |
*41-Eyesは協力国なのでこれらの国がNSAの情報を参照出来るか否か、どれほど情報提供しているかは不明
サーバーはあらゆる情報が出入りする場所であり、通信傍受の際に重要なウェイトを占めています。
犯罪に関わる事を行っていなければ気に病むことはありませんが、自分が通信した情報全てが収集されているのは気持ちのいい事ではありません。
出来る限り5-Eyes, 9-Eyes, 14-Eyes加盟国のVPNプロバイダーを避ける事をオススメします。
どの国のVPNプロバイダーなら安心して使えるの?
法の観点から言えば、エドワード・スノーデンの亡命先の候補として上がった香港が最も安全と言われています。
香港は著作権に関する認識が低く、法的に通信データを保持するよう義務付けられていません。
そういう観点から言えば、12VPNは香港ベースの会社なので安全と言えるでしょう。
ただし、中国からの圧力が高まるにつれて変化はあるかもしれません。
べすとVPNでオススメしている、ExpressVPN, NordVPNはそれぞれ5-Eyes, 9-Eyes, 14-Eyes, 41-Eyesの協定外の所在地で運営しています。
ExpressVPN
ExpressVPNはイギリス領ヴァージン諸島で運営しています。直接確認を取った所、BVI(ヴァージン諸島) の法で守られているので協定の影響を受けないとの事でした。
今まで第三国、機関からログ開示の要請を受けた事もなく、通信データを記録していないので渡すことは出来ないとの事です。
NordVPN
NordVPNはパナマに所在地があります。アメリカと複雑な関係にありますが、現在アメリカが手を引いて独立しているので比較的安全と言えるでしょう。
この通信スパイネットワークの主導を握っているのはアメリカです。
管理人の私感では、出来る限りアメリカに所在地のあるVPNプロバイダーは避けた方が無難です。