VPNの基礎知識

中国のインターネットプロバイダー电信,联通,移动の違いは?VPNを使うには?

2017年8月17日

中国の3大プロバイダー电信 (ChinaTelecom),联通 (ChinaUnicom),移动 (ChinaMobile)。その他にも、长城,铁通,艾普などもインターネットサービスを提供していますが、自社の光回線を所有しているのは上記の3つのプロバイダー(非常にわずかですが铁通の回線も存在します)のみです。

その他のインターネットプロバイダーは全て中国3大プロバイダーの回線を利用している2次プロバイダーになります。ではそれぞれのプロバイダーにはどんな違いがあるのでしょうか?

北方は联通,南方は电信?

中国に長くいる人は「北方は联通,南方は电信」というフレーズを聞いた事があるかもしれません。中国では長江辺りを境に北と南に分けて北方、南方と呼んでいます。インターネットに関して、一般的には北方は联通が強く、南方は电信が強いと言われています。

なぜそのように言われるようになったかという理由は幾つかありますが、一つは歴史的な理由があります。通信業者を分業した際に北側は网通という会社が請負ました。その後北方の大部分のシェアを有していた网通は联通と合併した為に北側は联通が強いとされています。

一方で、中国で発展している都市は海側と南方に集中しています。例えば、上海、杭州、広州、深圳、海口、成都、重慶等です。电信は伝統的な中国最大のインターネットインフラを誇るプロバイダーで(※2026年現在の有線契約者数1位は中国移動ですが)、利用者の多くは海側の都市、内陸の大都市に集中しています。そんな理由から北方は联通,南方は电信と言われているようです。しかし、北は联通と言えども、光回線の網羅率がインフラの質において高いのは电信です。

ではそれぞれのインターネットプロバイダーの特徴を挙げてみます。

电信 (ChinaTelecom)

China Telecom logo

中国でのインターネット構築の初期から光回線を網羅しており、光回線のリソースは中国国内で最大です。2026年現在、純粋な契約者数こそ中国移動に首位を譲ったものの、光回線の元々のリソースやバックボーンの規模は中国国内で最大を誇ります。

国際帯域(中国国外のインターネットへ接続する為の帯域)もやはり国内最大です。联通,移动と比べるとその規模は数倍もなります。
电信は国内・国外の企業や政府等と契約しており、国際回線を使う多くのユーザー数を有しています。その為に、一般市民に対しての国際帯域が足りていないのが現状です。

もちろん政治的な理由で帯域に制限をかけているという側面もあるようですが。物理的にも中国の国際帯域の出口は今現在五ヶ所(青島、上海、福建、広東、香港)のみで、そもそも人口の比率から見ると多くありません。そんな理由もあって、电信は国外へのアクセスに細かい速度制限を設けています。

例えば、上海ではお金を払って国際回線の速度を上げる事が出来たり、江蘇では国際回線の速度を上げる有料アプリを提供しています。电信と契約している企業や政府等に優先的に速度を開放しているので、一般ユーザーの国外へのアクセスは遅くなります。电信 (ChinaTelecom)を使っている時に、VPN接続の速度が出ないという一つの理由です。

しかし、例外もあります。例えば現在中国からでも繋がるVPN.ACなどの中国対応VPNが电信を使っていても速度が出る理由はCN2と呼ばれる电信が開発した次世代回線を利用していて、速度制限が緩和されているからです。通常の163回線はいわば一般道で、CN2回線は高速道路と言った感じです。現在民間での利用は難しく、中国系企業、もしくは関係のある企業にCN2回線を開放しています。

最大のデメリットはアップロードスピードに関して厳しい速度制限を行っているという点です。200Mで契約しても十分の一程度しか速度が出ません。クレームを出せば地域によっては改善してくれるかもしれません。

規模と技術の面から見ても、やはり电信は安定しており質の高い光回線を利用出来ます。

联通 (ChinaUnicom)

1200px China Unicom svg

光回線に関して电信に次ぐ規模のリソースを有しています。2026年現在、契約者シェアは全体の約2割(1億2,900万件超)となっています。北方でのシェア率は高く、サービスも悪くありません。(南方の联通はサービスが悪いです。)

网通のインフラを利用したVIP回線、つまり联通版のCN2回線も提供しています。非常に高価ですが、国際帯域へ繋がる優先順位が最高ランクなので非常に低いPingかつ夜間でも安定した通信を確保出来ます。以前は民間にも提供していましたが、現在は企業向け回線となっています。

国際帯域の电信に次ぐ規模ですが、电信には遥か及びません。そのお陰で国際回線に細かく制約をかけるほどの企業・政府との提携を行っていないので大きな速度制限を設けていません。その為に、VPN接続をした際に比較的速度出る傾向にあります。

住んでいる場所と使用しているVPNによりますが、VPNを多用する人にオススメのインターネットプロバイダーです。とりわけVPN.ACとの相性は良く高速で中国から接続出来ます。

移动 (ChinaMobile)

China mobile logo

かつては「光回線に関して全ての面で电信、联通に劣っている」と言われていましたが、近年の5Gおよびギガビット光回線への莫大なインフラ投資の結果、2026年現在、有線ブロードバンドの契約者数は3億3,000万件を超え、国内シェア圧倒的1位へと大躍進を遂げました。高いモバイル通信の技術だけでなく、ネットワーク網も拡大しています。

ユーザー数が激増した現在でも、移動は香港の移动 (HK ChinaMobile) への巨大な国際バックボーン(CMI回線)を自社で保有しており、直通で香港へ繋がるので低いPingかつ安定した速度で接続可能です。

一部の香港ISPへの内部ネットワークを構築しているので、サーバーによっては安定した高速通信を実現しています。利用者数と保有している国際帯域の関係から、速度制限をほとんど行っておらず海外への接続はかなり安定しています。ただし、インフラの歴史的経緯の特性上、一部のドメスティックなサイトへの接続は China Telecom, Unicomに劣る場合があります

まとめ

移动は自社の香港直通ルート(CMI)が優秀なため、CN2を使わない、中国サイトをあまり利用しない(海外ネットがメインの)と言った方には現在非常に強力なおすすめの選択肢です。

3大プロバイダーの特徴を図でまとめると次のようになります。

中国国内使用者数 移动 > 电信 > 联通
光回線の質 电信 > 联通 > 移动
国際帯域の総量 电信 > 联通 > 移动
国際帯域の速度制限 电信 > 联通 > 移动 

电信はアップロードスピード以外のほとんどの面で優れていますが、国際帯域の速度制限が細かくかけられています。ですので。南方の大都市に住んでいるようでしたら、移动という選択肢も有りだと思います。

ただし、価格の面から見ると場所によっては、电信と移动はほぼ同じ金額で2倍近い速度の光回線が使える場合があります。そんな場合は速度の早い电信がオススメです。

また、デパートや、スタバ等の無料Wi-Fiは电信と契約している場合が少なくありません。VPNを選ぶ際に、家以外の場所で使う可能性がある場合は电信(China Telecom)の厳しい速度制限や検閲下でも確実に速度の出るVPN.ACなどの中国対応VPNをおすすめします。

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