中国では主流になりつつあるインターネット規制用プロトコルShadowsocks。
現在ではバージョンが、Shadowsocks(SS)とShadowsocksR(SSR)の2つ存在しています。
この2つのプロトコルはお互いが補完しあっていますが、簡単に言えばSSは初期開発バージョン、SSRはSSにはない機能を搭載した改良バージョンと言えます。すでにShadowsocks (SS)の一部の組み合わせはグレートファイアウォール(中国の規制システム)にある程度見破られており主流はSSRになりつつあります。
現在アプリストアには多くのShadowsocksクライアントアプリが存在しています。今回テストの為に購入可能なSSクライアントアプリを全て試してみました。そんな中で完成度の高いオススメのアプリを紹介します。
アプリ選択の条件
「SS、SSR両方に対応」を条件にアプリを選んでみました。 Wingy関連のアプリやShadowTunnel、WaterdropはSSRに対応していないので候補対象外になります。
紹介するアプリはすべてiPhone, iPadに対応しています。
1. Shadowrocket
最高の完成度を誇るShadowsocks(R)クライアントアプリ です。どこのShadowsocksプロバイダーもiOSで使える標準的アプリとしてShadowrocketを推奨しています。現在ShadowrocketR、Proxyに必要だと思われる全ての機能を詰め込んでありながらも、非常に使いやすく設計してあります。
Shadowrocketの主な特徴
- あらゆるURLからサーバー情報を読み込める
- QRコードからサーバー情報を読み込める
- 使いやすいウィジェット
- TCPでのPingテストに対応
- オンデマンドモード
- UDPでの接続に対応
- jsonファイルに対応
- 統計データを収集できる
- 最新のOBFSや暗号化に対応している
- VPNアイコンを隠す機能
- インターネット共有機能
沢山の機能がありますが、サーバーの追加、現在繫がるサーバーの確認はワンタッチで行えます。アプリのホーム画面です。左上でQRコードの読み込み、右上からサブスクリプションURLの読み込みと簡単に操作出来ます。
ウィジェット画面は次のように表示されます。
無料アプリではありませんが、Shadowsocks(R)を使う時にShadowrocketがあれば安心してインターネットを楽しめます。
2. Potatso2
Shadowsocks開発直後の初期段階からアプリを提供している、いわば「公式アプリ」のPotatso2。バージョン2になってから入門者には少し使い難くなってしまいました。しかし、簡潔で作り込まれたインターフェイスは顕在です。
Potatso2の特徴
- QRコードからサーバー情報を読み込める
- 使いやすいウィジェット
- Pingテストに対応
- UDPでの接続に対応
- jsonファイルに対応
- 統計データを収集できる
- 最新のOBFSや暗号化に対応している
- VPNアイコンを隠す機能
- プロファイルを幾つも設定出来る
機能面ではややShadowrocketに劣るものの、自分のプロファイル(サーバー情報+接続ルール等をまとめたもの)を幾つも作成可能で、同じサーバーでもプロファイルの違う設定をワンタッチで切り替える事が出来ます。Potatso2のこのルールさえ理解していれば、操作も戸惑う事はありません。
ウィジェット画像
唯一の難点が、サーバー情報を読み込むURLがSS独自の形式のみと言った点です。長年に渡って開発を続けているので、安心感のある定番Shadowrocketクライアントです。
3. Potasto lite
Potatso2の開発者が、大幅な機能削減バージョンである、Potasto liteを無料で提供しています。2018年8月にアップデートを行い、SS/SSR URLを使って一括でサーバー情報を読み込めるようになりました。
Potasto liteの特徴
- 無駄がないデザイン
- QRコード or 手入力でサーバー情報を読み込む
- シンプルなウィジェット
- スマートルーティング機能(接続ルール)
- SS/SSR URLからの一括読み込み
無料のShadowsocks(R)アプリの中では他とは比べ物にならないレベルの完成度です。Potatso2と同じエンジンを採用しており、接続の安定性も申し分ありません。機能が限られている分だけ、非常に操作しやすいという特徴があります。無料ながらスマートルーティング機能、つまり中国のサイト接続時はSSサーバーを経由しない、という機能も利用出来ます。
メイン画面
ウィジェット画面
サーバーの読み込み方法は、QRコードと手入力のみになります。もちろんウィジェットからでも接続可能です。Pingを測る機能がないのが唯一惜しい所です。
4. Quantumult
エレガントなShadowsocks(R)クライアントアプリで、インターフェイスにこだわりを感じます。接続時に世界地図が表示されてどこへ接続しているのか一目瞭然です。バグもほとんど無く、接続も群を抜いて安定しています。iOSのShaddowsocksアプリの最高峰です。
Quantumultの特徴
- QRコードからサーバー情報を読み込める
- あらゆるURLからサーバー情報を読み込める
- UDPでの接続に対応
- jsonファイルに対応
- 統計データを収集できる
- 最新のOBFSや暗号化に対応している
- HTTPリクエストでサーバーの状態を確認
- インターネット共有機能
- 三つのプロトコルからPingを計測可能
QRコード、URLでのサーバー情報の読み込み、UDP接続、DNSの変更、最新のSSRへの対応と言った機能はもちろんですが、TCPではなく、HTTPリクエストでサーバーが現在繋がっているか否かをチェックする事が出来ます。この機能は他のクライアントアプリにはない特徴です。
ウィジェットの表示は紹介しているアプリの中で1番凝ったデザインになっています。Quantumultはセンスの良い、使っていて気持ちのよいクライアントアプリです。
Shadowsocksは多くのサードパーティアプリから接続可能で、他のVPNにはない選択の自由があります。
べすとVPNではShadowsocksを使いたい方にUCSSを紹介しています。最新版のSSRに、中国直通の高速サーバーを採用していおり、中国を含む規制のある地域から高速接続を楽しめます!