この記事の結論(先に3行で)
proxy.sh は終了済み。VyprVPN・IPVanish は法人として存続しているが、中国向けの実用性は失われていると考えられる。
移行先を選ぶ軸は「価格」「サーバー数」ではなく、専用回線を持っているかどうかに移っている。
ところが2026年9月現在、3社のうち中国向けにそのまま推せるサービスは1つもありません。
「終了したか、していないか」の二値で片付けると、この3社は正しく説明できません。1社は本当に消滅し、2社は会社としては生きたまま中国向けの実用性だけを失っています。この記事はその中間状態を含めた3ステータスで整理します。
移行先の候補だけ先に確認したい方は、専用回線側の検証記録から見てください。
【最終確認日:2026年9月17日】3ステータスで見る、旧・中国向けVPNの現在地
VPNサービスの「生死」は、ドメインが応答するかどうかでは判定できません。会社が存続していても中国向けの経路だけが死んでいる状態があり、逆にドメインがHTTP 200を返しながら中身が閉鎖告知1行という状態もあります。
管理人が2026年9月17日に各社のドメインへ直接HTTPリクエストを投げ、あわせて公開されている情報を突き合わせた結果が下の表です。
| サービス | 2026年9月のステータス | 判定の根拠 |
|---|---|---|
| proxy.sh | 終了 | 公式ドメインの本文が閉鎖告知1行のみ(実測) |
| VyprVPN | 存続・中国向けの実用性は喪失と評価 | 公式サイトは稼働(実測)/中国での接続不可は外部の公開情報 |
| IPVanish | 存続・中国利用は非推奨と評価 | 公式サイトは稼働(実測)/非推奨評価は外部の公開情報 |
この表で分けている「終了」と「存続だが実用性を失った」の境界は、読者にとっては実務的な意味が大きく違います。
前者は契約する手段そのものが存在しません。後者は今でも決済できてしまうため、古いレビュー記事を読んで契約し、中国に着いてから繋がらないことに気づくという最悪の順序をたどる可能性があります。
proxy.sh:運営自身が残した一行だけが残っている
3社のうち、終了を断定できるのは proxy.sh だけです。根拠は推測ではなく、公式ドメインが返してきたレスポンスそのものです。
https://proxy.sh/ にHTTPリクエストを投げると、ステータスコードは200が返ります。リンクチェッカーにかけると「生きている」と判定される状態です。
しかし本文の実体はわずか18バイトで、内容は運営自身が残した 「Corporate seppuku.」 の一文だけでした。申し込み・ログイン・支払いの入口はすべて消えています。
| 確認対象(2026年9月17日) | 応答 |
|---|---|
https://proxy.sh/ |
HTTP 200/本文18バイト・閉鎖告知1文のみ |
https://proxy.sh/panel/aff.php |
HTTP 404(申し込み系の入口が消滅) |
ここから読み取れる技術的な教訓が1つあります。ドメインの生死とサービスの生死は別の指標だということです。
DNSが引けてTLSハンドシェイクが通り、200が返る。それでも中身が空なら、サービスとしては存在しません。旧レビュー記事のリンクを機械的にチェックするだけでは、この状態を検出できません。
終了した時期については、2019年12月頃からチケット対応・サポートが停止し、その後サービスが徐々に機能しなくなって2020年半ばまでに完全に停止したとされています。運営からの公式告知は上記の一文のみで、正確な終了日は公表されていません。
当時の記録はproxy.shが終了した経緯と当時の申し込み手順の記録に残してあります。
VyprVPN:法人は存続、中国向けの評価だけが反転した
VyprVPN は終了していません。2026年9月17日時点で公式サイトはHTTP 200で稼働しており、現行プランは月間$10・年間$4/月(年払い一括)・2年$3/月(2年一括払い)です。今日この瞬間に契約することも可能です。
問題は、中国向けの評価が当サイトのレビュー当時と完全に逆になっている点です。
VyprVPN は、2026年時点で中国からの接続が困難になっていると考えられます。同社は中国の検閲政策への批判を公にしている立場であり、これが遮断対象として狙われやすい一因になっている可能性があります。
この「政治的立場が遮断リスクに直結する」という論点は、スペック表からは読み取れません。プロトコル対応やサーバー数をいくら比較しても出てこない変数です。
料金面では、月間$10・年間$4/月・2年$3/月という水準は後述のUCSSより明確に安価です。データ通信量についても、2026年時点で全プランとも帯域・データともに無制限とされています。この2点は素直に VyprVPN が勝っています。詳細な現況注記はVyprVPNの現況を見るに追記済みです。
IPVanish:存続しているが、中国脱出用としては非推奨
IPVanish も終了していません。公式サイトは稼働しており、申し込みも可能です。
一方、IPVanish は2026年9月時点で、「現存するが中国脱出用には非推奨」という状態にあると考えられます。
理由として考えられるのは主に価格です。IPVanish自体は2026年9月時点で対応国100ヶ国以上・サーバー3,000台以上・同時接続無制限という規模を公称しており、拠点数や接続台数で劣っているわけではありません。乗り換え先の候補としては StrongVPN・FlowVPN なども挙げられます。
この評価はあくまで「中国脱出用として」という限定つきで、一般的な用途であれば拠点数が実用上の不足になるとは限りません。当時の記録と現況注記はIPVanishの現況を見るにまとめています。
べすとVPNのレビュー年と、2026年9月の生存確認の対比
このサイトには2017年当時の各社のレビュー記録が残っています。当時の料金・プロトコル・速度の記述と、2026年9月の確認結果を並べます。
| サービス | 当サイトの初出レビュー | 2026年9月の確認結果 |
|---|---|---|
| proxy.sh | 2017年(中国で有効と記録) | ドメインに閉鎖告知1行のみ |
| VyprVPN | 2017年6月(中国で実測・速度記録あり) | 存続。中国では接続不可と評価 |
| IPVanish | 2017年7月(速度は出ないが繋がると記録) | 存続。中国利用は非推奨と評価 |
9年前の記録と現在を並べると、3社とも「中国で繋がる」と書かれた時期が2017年前後に集中していることが見えます。
2017年1月の規制強化を各社が一度は乗り越えたものの、その後の継続的な検知手法の更新には追随できなかった、と考えられます。ここは当サイトの記録から読み取れる傾向であり、各社が公表した理由ではありません。
当時のレビューには、今読むと危険な記述が多数含まれていました。無効になったクーポンコード、404を返す申し込みリンク、現在形で書かれた推奨文。これらは2026年9月に全件を「当時の記録」として書き換えています。
古いレビューを残す判断をしたのは、当時の料金とプロトコル構成の記録そのものに価値があると考えたからです。ただし読者が誤って契約しないよう、冒頭で必ず現況を断る形に改めました。
消えた回線と残った回線を分けた技術的条件
3社を並べて見えてくるのは、撤退・縮小した回線に共通する構造です。
汎用のクラウド・データセンターに建てたサーバーを、複数国のユーザーで帯域共有する構成。これは中国以外では合理的で、価格競争力の源泉になります。
ところが中国向けでは、この構成が3つの意味で不利に働きます。
| 条件 | 撤退・縮小した回線 | 残った回線 |
|---|---|---|
| 回線の調達 | 汎用インターネット経路 | 専用回線(IPLC等)への投資 |
| 帯域 | 多国ユーザーと共有 | 中国向けに帯域を確保 |
| 検知回避 | 汎用プロトコルのまま | 難読化の継続更新 |
BGPルーティングの観点から見ると、汎用インターネット経路は中国国内から国外へ出る際に必ず国際ゲートウェイを通ります。ここが検閲と輻輳の両方のボトルネックです。
IPLCのような専用回線は、この国際ゲートウェイでの検査対象になりにくい経路を確保する方式です。そのぶん調達コストが高く、料金に転嫁せざるを得ません。
もう1つの条件が、難読化プロトコルの更新頻度です。GFWのDPIは検知パターンを更新し続けるため、プロトコル側も継続的に更新しなければ数ヶ月で見破られることがあります。
この継続更新には人員と時間の固定費がかかります。返金保証つきの格安プランで顧客を集める設計とは、原理的に両立しにくいと考えられます。
3社が中国向けから事実上撤退した背景にこの構造があった可能性はあるものの、各社が公表した理由ではないため断定はしません。
どのプロトコルが検知され、どれが通るのかという技術的な内訳はGFWに検知されるプロトコルと通るプロトコルで整理しています。回線タイプごとの違いは回線タイプ別の比較データを参照してください。
移行先を選ぶ判断軸は「価格・サーバー数」の次にある
旧3社から移る場合、比較サイトが並べる価格とサーバー数だけで選ぶと、同じ失敗を繰り返すことになります。2017年当時の3社も、その2軸ではむしろ優秀だったからです。
前章の構造を踏まえると、中国向けで見るべき軸は次の2つに絞られます。
| 判断軸 | 契約前の確認方法 |
|---|---|
| 専用回線(IPLC等)を持っているか | 公式の回線構成の記載/中国向けプランの有無 |
| 難読化の更新が継続しているか | 障害時の告知頻度・アップデート履歴 |
管理人が現在この2軸で継続的に検証しているのはUCSSです。中国向けに専用回線へ投資し、難読化の更新を続けている構成にあたります。実際の速度と料金の記録はIPLC専用回線を持つサービスの検証記録にまとめてあります。
ただし、この構成にははっきりした代償があります。UCSSの弱点を隠さずに書きます。
UCSSの弱点(3点)
①料金が他社より高い
②Standard以上はデータ量を選ぶプラン設計で、必要量の見積もりが要る
③無料お試し・返金保証の制度がない
データ量の扱いはプランによって分かれます。Liteプランはライトユーザー向けの無制限プランで、高速枠を使い切ったあとも速度制限つきで使い続けられる設計です。一方 Standard 以上は、あらかじめデータ量を選ぶ形になります。自分の月間通信量を見積もってプランを選ぶ作業を煩わしく感じる場合、Standard 以上は候補から外れます。 実際にどれくらいの速度が出るかは中国で計測した実効速度の記録に残してあります。
UCSSが向かない人
- 中国渡航の予定がなく、日本国内や欧米での動画視聴が目的の人(無制限プランを持つ大手のほうが割安です)
- 月額のコストを最優先したい人(前述のとおり、価格では他社が勝ちます)
- 契約前に無料で試してから判断したい人(UCSSに無料お試しの制度はありません)
- データ量を選ぶ形のプラン設計そのものを避けたい人(Standard 以上が該当します)
契約前に試したい場合は、月契約のLiteプランから始めて、問題がなければ長期プランへ切り替える形が現実的です。各プランの金額とデータ量の内訳はプラン別の月額とデータ量の一覧で比較しています。
中国から公式サイトが開けないときの経路
移行先を検討する段階でつまずきやすいのが、中国国内から申し込みページ自体が開けないというケースです。旧3社のレビュー記事でも、当時の「中国用ミラーリンク」は現在リンク切れになっています。
UCSSについては、.net ドメイン側は中国からブロックされて開かないという報告があるため、当サイトでは .biz ドメインのミラー経路を案内しています。下のボタンから開けます。
よくある質問
Q1. VyprVPNやIPVanishはサービスを終了したのですか?
いいえ、終了していません。両社とも2026年9月17日時点で公式サイトが稼働しており、契約も可能です。終了しているのは proxy.sh のみです。ただし中国向けの実用性については、否定的な評価が多く見られます。
Q2. 契約が残っている場合、すぐに解約すべきですか?
解約手続き自体は各社の公式サイトの案内に従ってください。本記事は現況の整理を目的としており、解約手順は扱っていません。中国での利用を前提に契約している場合は、移行先を確保してから手続きに進む順序が安全です。
Q3. 古いレビュー記事はなぜ削除せず残しているのですか?
当時の料金・プロトコル構成・速度の記録そのものに資料的な価値があると判断したためです。ただし読者が誤って契約しないよう、各記事の冒頭に最終確認日と現況の注記を入れ、無効になったクーポンや404を返す申し込みリンクは撤去しています。
旧3社の記事を読んでいる方への申し送り
このサイトの proxy.sh・VyprVPN・IPVanish の記事は、2026年9月17日時点で全件に現況注記を入れ直しました。当時の記録として読む前提であれば、料金・プロトコルの資料としては今も使えます。
一方で、そのまま契約判断に使える記事ではありません。3社のうち proxy.sh は契約手段が存在せず、残る2社は契約できても中国向けの実用性が失われていると考えられます。
移行先を選ぶ段階では、価格とサーバー数の比較を一度済ませたうえで、専用回線の有無と難読化の更新頻度という2軸を見てください。この2軸が、2017年に繋がっていた回線と2026年に繋がっている回線を分けた条件です。
