ネット回線の速度を計測すると、表示されるMbps, Ping, Upload(アップロード), Download(ダウンロード)という単語。快適な通信速度を知る為に、大まかに知っていると役立ちます。
例えば、世界的に有名な速度計測サイトOoklaのSPEEDTEST。ここでスピードを計測するとこんな結果が出てきます。
Pingって何?
テスト結果の左を見ると「PING」という表記が見られます。
この表記は測定場所(現在使用しているネットワーク)から計測サーバーへパケットを送信して返ってくるまでにかかった「応答速度」を表しています。
画像の計測結果に「ms」と表記されています。これはmilli secondsの略で、milli seconds(ミリ秒)=1000分の1秒と言う表記になります。
パケットを計測サーバーまで送信してそれが帰ってくるまでの所要時間が、この37ms=37ミリセカンドとなります。
ダウンロード・アップロードといったデータの通信速度と違って、Pingの値は小さければ小さいほど良い環境であると言えます。
厳密にPingとはネットワークが正しく動作しているかチェックするソフトウェアの名称です。Pingを実行後に、送信したパケットが返ってくるまでの遅延=レイテンシがスピードテスト結果として表示されています。
Pingの重要性
Pingとは通信にかかる時間を表す数値、つまり送受信するまでのタイムラグを表しているため体感速度に直接的に影響があります。
リアルタイムな通信が必要とされるVoIP(Skype, LINE通話やIP電話など)、ライブストリーミング、オンラインゲーム等はこのPing値が非常に大切になってきます。
例えば、特定のサイトを開く際に読み込みに時間がかかったり、LINE通話などで遅延が見られる、ライブストリーミングで頻繁に止まるなどのケースは、Ping値が何らかの理由で著しく高い可能性が考えられます。
Pingの目安は?
インターネット技術の向上により、大手サービスは多少Pingが高くても使用感に影響が出にくくなっています。ゲーム以外の用途の場合は二桁内つまり、99ms以下であれば問題ありません。オンラインゲームの場合は明らかに使用感に影響が出てきます。目安としては60ms以下が理想です。
VPNを使って海外から日本のサーバーなどを使用している場合、物理的な距離があるのでPingを低くする事に限界があります。
200msを超えている場合はインターネットプロバイダーに連絡して回線状況を確認してもらった方がいいでしょう。
Download, Uploadとは?
冒頭のスピードテスト結果ではDownload(ダウンロード), Upload(アップロード)と表記されています。
Download=下り
動画の視聴、ファイルのダウンロード、ウェブサイトの読み込みなどデータの受信を意味しています。
Upload=上り
GoogleやDropboxなどのクラウドストレージへのアップロード、メールを送信したり、InstagramなどのSNSへ動画や画像を投稿するデータ送信を意味しています。
Mbpsって?
Mbpsとは通信速度を示す単位で、1秒あたりにどれくらいの容量を通信出来るかを示した単位です。
MbpsとはMbps (Mega bits Per second) の略語で、Mega bit=メガビット、Per second=1秒辺り、という意味になります。「メガ・ビーピーエス」と読みます。
冒頭の速度結果は、Download=202.99Mbps, Upload=18.35Mbpsなので、1秒間に約202メガビットのデータ受信、18メガビットのデータ送信が出来る速度ということです。
キロ、メガ、ギガと単位が上がるにつれて、1,000倍ずつ数字が増えていきます。
少しややこしいのですが、iPhone64GB、SDカード128GBのこの「ギガバイト」とは単位が違います。これらは「ギガバイト(GB)=Giga byte」と表記されていて「1Byte=8bits」で計算します。
推奨速度は?
一般的にはどれくらいの速度が必要とされているのでしょうか?
Netflixで推奨されている通信速度は下記の通りです。
- 0.5Mbps 低画質
- 1.5Mpbs 標準画質
- 3.0Mbps 中画質SD(480p)
- 5.0Mbps 高画質HD(720p)
- 25Mbps 超高画質UHD(4K)
個人利用の場合は30Mbps程度速度が出ていれば快適にインターネットを使用可能です。速度の計測方法はこちらを参照下さい。
プロバイダー契約時の速度について
インターネットプロバイダーの広告でよく見かける「最大1Gbps」「ベストエフォート型」という回線速度ですが、実際には表記通りの速度が出る事はほぼありません。
例えば「最大1Gbps」の場合は1000Mbpsの回線を数十世帯で共有しています。言わば1Gbpsのケーキを切り売りしているようなイメージなので実際のスピードは数分の一、時間帯によっては数十分の一といったスピードになります。
どれくらいの割合で「切り売り」しているかはプロバイダーによって異なります。ゲームなどで利用の場合、お金が許せば「専用帯域」というサービスの利用をオススメします。24時間どんな時も保証されたスピードを下回る事なく利用出来ます。
まとめ
- Ping=通信にかかる時間を表す数値。数値が低ければ良い環境
- Download=下り=データ受信。動画鑑賞、書類のダウンロード
- Upload=上り=データ送信。メールの送信やクラウドなどへのアップロード
- Mbps=通信速度を表す単位。30Mbps前後であれば快適