インターネットの通信スピードを測る方法やサイトは多岐にわたります。やはりお手軽な方法はスピード計測サイトを利用する方法でしょう。
一口にスピード計測サイトと言ってもその計測方法は様々です。スピードテストサイトの主流な計測方法は2つに分けられます。
先に結論:どれが正確か
同じ回線・ほぼ同じ時間に6サイトで測っても、ダウンロードは13.14Mbpsから227Mbpsまで開きました(計測結果は本文で紹介しています)。
サイトごとに「どこまでの区間を、何で」測っているかが違うためです。目的に合うサイトを1つ決め、同じ条件で測り比べてください。
目的別に分けると、次のようになります。
| 知りたいこと | 使うサイト | 測っているもの |
|---|---|---|
| 動画が快適に見られるか | Fast.com YouTube |
動画の配信サーバーからの受信速度 |
| 回線の安定性 | CloudFlare | 遅延(Latency)・揺らぎ(Jitter)・パケットロス |
| VPNの有無やサーバー別の比較 | SPEEDTEST(Ookla) | 自分で選んだ計測サーバーとの速度・Ping |
| 上り・下りを細かく見たい | Testmy.net | ダウンロード・アップロードを個別に |
| 手早く1回だけ | Google(M-Lab) | M-Labのサーバーとの速度。超高速回線では低めに出やすい |
通信速度の計測方法
ダウンロード式
ダミーのデータをダウンロードして、その結果から速度を算出する方法。ダウンロードするデータの大きさは様々ですが、動画データをダウンロードする方法は精度が高いと言われています。大手ネットワーク会社が採用している計測方法です。
(旧:Flash方式)
かつてはAdobeのFlashを使って計測する方法が主流でしたが、2020年末のFlashサポート終了に伴い、現在は利用されていません。
HTML5方式
HTML5を使って速度を計測する方法です。現在の標準的な計測方法で、プラットフォームを選ばず、あらゆる端末、OSから計測出来ます。ただし、1Gbpsを超える超高速回線(10G回線など)を計測する場合、ブラウザの処理能力がボトルネックとなり正確な数値が出ないことがあるため、その場合は専用アプリ版の使用が推奨されます。
Youtube
Google系サービスへの通信速度を知るのに最適な方法です。ダウンロードスピードのみ確認出来ます。
実際に計測結果を比べて見よう
ほぼ同じ時間に、同じ環境で計測してみました。
ダウンロード式
Testmy.net
アメリカでは有名なスピードテストサイト。ダウンロード、アップロードと個別に計測出来ます。細かいバンド幅の情報を参照可能です。

Fast.com
大手ストリーミングサイトNetflixが提供しているスピード計測サイトです。メインはダウンロードの計測になります。ダウンロード計測後「詳細を表示」からアップロードおよびPingを計測する事が出来ます。特に「ロード済み(Loaded)」のPingを確認することで、通信負荷がかかっている時の遅延状況も把握できるのが特徴です。

Google (M-Lab)
Googleで「スピードテスト」と検索するとトップに表示されます。M-Labというインターネットの研究所と提携してスピードテストを行っています。非常に手軽ですが、サーバーの仕様上、超高速回線では上限値が低めに表示される傾向があります。

CloudFlare
CDNなどで有名な世界的大企業のCloudFlareが提供しているサービス。ダウンロードとアップロードがデータの大きさ別に分かれていて、より専門的な情報が欲しい人向け。パケットロスやジッター(遅延の揺らぎ)など、詳細な品質レポートを確認できるため、現在は非常に信頼性の高いテストとして定着しています。

SPEEDTEST.net
世界中の様々なインターネットプロバイダーが自社のネット速度の計測で使っているサイトです。3500を超えるサーバーを利用出来ます。現在はHTML5ベースが完全な標準となっており、大手のVPNプロバイダーもこの情報を基に接続状況を分析しています。SPEEDTESTは手動で計測サーバーを変更可能で「Change Server」からサーバーを選択します。

HTML5方式
Speedof.me
海外で有名なスピードテストサイトです。キレイなグラフィックで様々な機器から計測可能です。

YouTubeを使った計測方法
かつてのFlash方式とは異なり、現在の動画再生はブラウザの標準機能で行われます。YouTubeでの速度計測は、実際の動画視聴におけるパフォーマンスを知るのにおすすめの方法です。計測の際は出来るだけ高解像度(4K, 8K動画)を使用して下さい。ただし、8Kなどの超高画質動画はPC本体のスペック(CPU/GPU)によって再生が制限される場合がある点には注意が必要です。
動画再生画面を右クリック「詳細統計情報」で接続スピードを確認出来ます。

個人的には1番現実的な速度が表示される方法だと思います。とりわけVPNを使用した際の動画が見れるリアルなスピードを確認したい場合にオススメの方法です。

計測結果について
結果を見てお気づきの通り、計測結果にバラツキがあります。
利用している地域のネットワーク環境、物理ネットワークの問題、プロバイダーの混雑状況、国際ルーティングの状況、計測サーバーの状況、テスト結果の表示方法等、計測結果に多くの複合的な要素が絡んでおり、正確な数字を知ることは難しいのが現状です。
訪問先とのルーティングの問題や、レイテンシなども関係している為、スピードテストの結果と実際の使用感はイコールではありません。
計測結果の表記についてはこちらを参照して下さい。
スピードテストの使い方
オンラインツールを使用して計測する場合は、幾つものスピードテストのサイトを利用するのではなく、信頼出来るスピードテストのサイトを一つ選択して、そのテスト結果を比較する方法が現実的な方法だと言えます。
より安定した計測結果を知るために、3つの点に注意して下さい。
- 計測したいネットワークと同じロケーションの計測サーバーを使う(東京のVPNを使用していた場合は東京の計測地点を選択)
- 計測サーバーはいつも同じサーバーを使う
- 計測する時間帯に注意する
計測の際は時間帯にも注意する必要があります。例えば朝、昼、夜で利用者の数が変わってきます。利用しているネットワークの限界値を知りたい場合は混雑していない時間帯で計測します。一方で夜間のピーク時の状況が知りたい場合はその時間帯に計測します。
このようにして自分が利用しているインターネットのおおよその通信・速度状況を知ることが出来ます。
べすとVPN.jpでは、OoklaのSPEEDTEST.netを利用しています。様々な時間帯で計測・比較して納得のいったVPNサービスのみをオススメしています。また、より正確な限界値を知りたい場合には、ブラウザ版ではなくデスクトップアプリ版のSPEEDTESTも併用しています。
VPN接続中に測るときの注意
VPNの速さを確かめるためにスピードテストを使う場合、VPN接続中の数字はVPNなしのときとは別の区間を測っています。
計測サーバーの位置で結果が変わる理由
VPNなしの通信は「端末→計測サーバー」の1区間です。VPNを接続すると「端末→VPNサーバー→計測サーバー」の2区間になります。
多くのスピードテストは、接続元のIPアドレスから近い計測サーバーを自動で選びます。
VPN接続中の接続元はVPNサーバーなので、計測サーバーもVPNサーバーの近くに切り替わります。
東京のVPNサーバーと米国のVPNサーバーでは、測っている区間そのものが違うということです。
数字の差には、VPNの性能とは別に「どこまでを測ったか」の差が混ざります。
Pingも同じで、VPNサーバーまでの往復が加わるぶん、VPNなしより大きく出るのが普通です。
数字の見方はPingとダウンロード速度の読み方で解説しています。
同じ計測サーバーに固定して測る
VPNの前後やVPNサーバーごとの違いを比べるなら、計測サーバーを自分で選べるSPEEDTEST(Ookla)を使います。
Fast.com・Google・CloudFlareは計測先を選べないためです。
- VPNを切った状態でSPEEDTESTを開き、「Change Server」から計測サーバーを1つ選んで測る
- 計測サーバーを変えずに、VPNを接続してもう一度測る
- VPNサーバーを切り替えて比べるときも、計測サーバーはそのままにする
- 朝・昼・夜など時間帯を変えて、同じ組み合わせで繰り返す
1と2の差が、VPNを通したことによる落ち幅の目安です。
計測サーバーを日本の1台に決めておけば、どのVPNサーバーを使ったときでも「日本までの速度」として横に並べて比べられます。
VPNサーバー自体の回線の太さを見たいときは、前の章のとおりVPNサーバーと同じ地域の計測サーバーを選びます。
日本のサイトを見るときの体感を比べたいときは、日本の1台に固定します。
中国から測るときは国境の区間を見る
中国から国外のVPNサーバーにつなぐ場合、速度を大きく左右するのは端末とVPNサーバーの間にある国境の区間です。
GFWの検査は海外との出入口に集中しており、そこをどんな回線で通るかで結果が変わります。
計測サーバーを固定しても数字が日や時間帯で大きく動くのは、この区間の混み具合によるものと考えられます。
中国からの速度は回線の作りで決まる理由は、回線の種類ごとに別の記事で整理しています。
